言葉の取得を促す手段
言葉の表現方法が少ない時期では気持ちをを代弁する。少しでも答えようと子どもに動きがあるのであれば、大人が待つこと(聴くこと)もして下さい。言葉を取得する1歳児の時期、気持ちをうまく伝えることが出来ないため、癇癪や他の子を噛んだり、叩いたりしてしまうことがあります。このサインをみつけたら、気持ちを大人が代弁することで、どのように伝えたら良いのか、他の子に伝わるのかが理解できるようになってきます。
言葉の取得が早い子どもの特徴として、お兄さん/お姉さんがいる、自分の想いを積極的に伝えようという意識がある、様々なことに興味があることや環境では、子どもと親のコミュニケーションのやり取りが多い、意味のある言葉掛けをする(赤ちゃん言葉ではなく、大人への語り掛け)ことが言葉の取得という結果につながっているようです。
子どもの言葉の取得を促すためには、さまざまなアプローチがあります。園では言葉と表情を合わせて大げさに伝えるようにしていました。手遊びや面白い表現、子どもが発した言葉からのキャッチボールも大人の反応を見て言葉を発することが楽しくなるように雰囲気づくりを心掛けるのも手法になります。その他、以下の方法を実践することで、子どもの言語発達をサポートすることができます。
1. 豊かな言葉のモデルを提供する
- 日常会話: 子どもと日常的に対話をし、様々な語彙や文の構造を自然に学ばせます。例えば、物の名前、動作、感情などを詳しく説明します。
- 具体的な言葉: 「おいしい」ではなく、「このリンゴは甘くてシャリシャリしているね」といった具体的な表現を使います。
2. 読み聞かせ
- 絵本: 色々なテーマやストーリーの絵本を読み聞かせることで、新しい単語やフレーズに触れる機会を増やします。
- 質問をする: 読み聞かせの途中で、登場人物やストーリーについて質問し、子どもが考えたり答えたりする機会を作ります。
3. 遊びを通じた学習
- 言葉遊び: 絵を使った言葉遊びや、言葉を使ったゲーム(例えば、「しりとり」や「動物の名前を言う」)を取り入れます。
- おままごと: 役割を演じる遊びを通じて、実際の会話や語彙を使う機会を提供します。
4. 対話の機会を増やす
- 質問と応答: 子どもに質問をし、答えることで言葉を使う練習をします。例えば、「今日のお昼ご飯は何を食べたい?」と聞くと、子どもは答える練習ができます。
- 反応とフィードバック: 子どもが発話した際には、適切な反応やフィードバックを与え、言葉の使い方を確認します。
5. 聞くことの重要性を教える
- 会話のルール: 他人が話しているときには静かに聞くこと、順番に話すことなど、会話のルールを教えます。
- ストーリーの理解: 話を聞いた後に、内容を再現したり、感想を述べたりする練習をします。
6. 環境を整える
- 言葉に触れる環境: 家庭や保育園での環境を、言葉に触れる機会が多いものにします。たとえば、さまざまな本や教材を用意し、言葉に囲まれた環境を作ります。
- 絵や図を使う: 言葉とともに絵や図を使って、意味を視覚的に理解できるようにします。
7. 感情と言葉の関連付け
- 感情を表現する: 「うれしい」「さびしい」「怒っている」といった感情を言葉で表現する方法を教えます。感情を言葉にすることで、コミュニケーションがスムーズになります。
8. ポジティブな強化
- 褒める: 子どもが新しい言葉を使ったり、上手に表現できたときには、積極的に褒めて自信を持たせます。
- 興味を引く: 子どもが興味を持っているテーマについて話すことで、言葉を学ぶ意欲を引き出します。
子どもが言葉を取得する過程は個人差がありますが、温かいサポートと刺激を提供することで、よりスムーズに言葉の発達を助けることができます。上記内容を把握したうえで子どもに接してみてください。きっと、子どもの成長が楽しくなってくると思います。
我が子も言葉の取得が4歳くらいと遅かったので不安ではありましたが、園に通う子どものご両親も言葉の取得が遅いと感じると保育士に相談するシーンが何度かありました。例としては1歳児クラスの女児が言葉数が少なく、感情表現も少なかったのですが、2歳児クラスに移ってしばらくすると堰を切ったかのようにおしやべりを楽しんでいる姿を見ました。大人や子どもたちの言葉を観察していたのでしょうか。ご両親も安心していました。
幼児の年齢別、言葉の発達段階
子どもが言葉を取得する過程は、発達段階に応じて異なりますが、一般的には次のような段階を経ていきます。
- 乳児期(0〜12ヶ月):
- 反響音(0〜3ヶ月): 赤ちゃんは、声を出すことに反応し、クーイングやあーうーといった音を出します。
- 喃語(4〜6ヶ月): 「ババ」や「ママ」といった音を繰り返し始めます。これが言葉の前段階で、言語のリズムや音のパターンに慣れる時期です。
- 意味のある単語(9〜12ヶ月): 「ママ」や「パパ」などの単語を理解し、使い始めることがあります。
- 幼児期(1〜3歳):
- 単語の獲得(12〜18ヶ月): 初めての単語を覚え、使い始めます。最初は「おいしい」「もっと」といった簡単な言葉です。
- 語彙の拡大(18〜24ヶ月): 語彙が増え、2語文(「お水飲む」など)を使い始めます。この時期に、文の構造や語順を学んでいきます。
- 文の発展(24〜36ヶ月): より複雑な文を作り、質問や命令もできるようになります。言葉の使い方に幅が出てきます。
- 3歳以降:
- 言語の成熟(3歳〜): 語彙がさらに増え、複雑な文や物語を作る能力が高まります。会話のルールを理解し、他者とのコミュニケーションがよりスムーズになります。
言葉の取得は、子どもが環境と経験から学ぶ過程です。豊かな言葉のモデルとサポートを提供し、子どもが楽しく学べるようにすることで、言語発達を促進できます。
【広告】